社長だから何でも知っているわけではない
社長になって10年。
会社のこと、経営のこと、人のこと。
いろんな経験をしてきました。
でも、10年経った今でも分からないことはいっぱいあります。
土木の現場へ行けば、僕より詳しい社員がたくさんいます。
新しい技術のこと。
ICT施工のこと。
測量のこと。
機械のこと。
そしてSNSについても、若い社員の方がよく知っていることがあります。
そんなとき僕は、できるだけ素直に、
「これってどうするん?」
「ちょっと教えて」
と言うようにしています。
社長なんだから、何でも知っていなければいけない。
昔はどこかで、そんなふうに思っていたこともあったかもしれません。
でも今は逆です。
分からないことを分からないと言える方が、いいんじゃないか。
そんなふうに思っています。
「教えて」と言うと、社員の表情が変わることがある
現場で社員に、
「これどうやって施工するん?」
と聞くことがあります。
すると、詳しく説明してくれます。
「ここを先にやって、そのあとこうします」
「この機械はこういう時に使います」
そんな話を聞いていると、
「なるほどな〜」
と思うことがたくさんあります。
そして面白いのが、教えてくれる社員の表情です。
自分が知っていることを説明するときって、ちょっと嬉しそうなんですよね。
特に若い社員が、
「社長、それはですね」
と教えてくれるようになると、僕も嬉しい。
もちろん、社長として判断しなければいけないことはあります。
最後に責任を取るのも社長です。
でも、
社長が全部の答えを持つ必要はない。
会社には、いろんな得意分野を持った人がいます。
現場に詳しい人。
機械に詳しい人。
安全に詳しい人。
書類に詳しい人。
SNSに詳しい人。
それぞれの力を借りればいい。
むしろ、それが組織なんだと思います。
聞ける会社は、話せる会社になる
僕が「教えて」と言うことを大切にしているのには、もう一つ理由があります。
社長が分からないことを聞けない会社で、
社員だけに
「分からなかったら聞いて」
と言っても、なかなか聞けないと思うんです。
上司が間違いを認めない。
分からなくても分かったふりをする。
そんな空気があると、若い社員も、
「こんなこと聞いたら怒られるかな」
「今さら聞けないな」
と思ってしまいます。
でも逆に、上の人が普通に、
「分からんから教えて」
と言っていたら、
社員も聞きやすくなる。
分からないことを聞ける会社は、相談できる会社にもつながる。
僕はそう思っています。
仕事では、分からないまま進めることの方が危ない。
特に土木の現場では、安全や品質にも関わります。
分からなかったら確認する。
迷ったら相談する。
自分より詳しい人に聞く。
役職や年齢に関係なく、それが当たり前の会社でありたいです。
社長になっても知らないことはたくさんあります。
というより、会社が新しいことに挑戦すればするほど、分からないことは増えていきます。
だからこれからも、
「それ、どういうこと?」
「教えて!」
と聞ける社長でいたい。
そして僕自身も、社員から聞かれたときには、
「そんなことも知らんの?」
ではなく、
「いいよ。一緒に考えよう」
と言える人でいたいと思います。
会社は、誰か一人が全部を知っているから強くなるんじゃない。
みんなが持っている知識や経験を持ち寄れるから、強くなる。
これからも、そんな江口組にしていきたいです。