経営者だからこそ陥る「情熱の空回り」

経営者の皆さん、正直に言いましょう。

誰よりも自社の商品やサービスを愛しているのは、私たち自身です。

「この技術はすごいんだ」「この商品は絶対にお客さんの役に立つ」「だから、一人でも多くの人に知ってほしい!」

その熱い想い、痛いほど分かります。

会社を存続させ、社員の生活を守るために、1円でも多くの売上を作りたい。

その責任感が強ければ強いほど、SNSの投稿画面に向かったとき、つい力が入ってしまいます。

「最高の仕上がりです!」「今すぐご相談を!」「他社とはここが違います!」

しかし、ここで残酷な現実をお伝えしなければなりません。

その経営者としての「熱量」が、そのまま「売り込み」という形になって発信されたとき、受け手であるお客様は、すっと引いてしまうのです。

なぜなら、SNSを見ている人は「買い物をしに来ているわけではない」からです。

リラックスしている時に、必死な形相で営業マンが近づいてきたら、誰だって逃げたくなりますよね。

「こんなにいい商品なのに、なぜ伝わらないんだ」 そう嘆く前に、一度立ち止まってみてください。

あなたのその強い情熱が、相手にとっての「重荷」になっていないでしょうか?

経営者の仕事は、商品を押し付けることではなく、その商品の価値が正しく伝わる「環境」を整えることです。

我慢して飲み込んだ「売り言葉」が、信頼の種になる

では、どうすればいいのか。

僕が提案したいのは、「売りたい気持ちをグッとこらえる勇気」を持つことです。

SNSにおける黄金比は「日常・共感7割、売り込み3割」

経営者の皆さんにとって、この「7割」を埋めるのは、最初は怖いはずです。

「そんな雑談をしていて、売上につながるのか?」と不安になるかもしれません。

でも、考えてみてください。

機能や価格だけで勝負するなら、資本力のある大手には勝てません。

中小企業が勝てる唯一の武器、それは「経営者の顔が見える信頼感」です。

・今日、社員と笑い合ったこと
・経営の中で直面した壁と、それをどう乗り越えたか
・地域への想いや、業界への危機感 ・あるいは、休日の情けない失敗談

こうした「売り込み以外の7割」の発信こそが、「この社長は信用できそうだ」「この会社は嘘をつかないな」という「信頼残高」を貯めていきます。

喉まで出かかった「買ってください」という言葉を飲み込み、代わりに「みなさんの役に立ちたい」という姿勢を見せる。

あるいは、社員への感謝を綴る。 その「我慢」ができる経営者だけが、SNSという広場で、多くの人の足を止めることができるのです。

「お願いします」ではなく「あなたなら」と言われる関係へ

信頼残高が十分に貯まっていない状態で「売り込み」をすると、それは「お願い営業」になります。

「なんとか買ってください」と頭を下げるビジネスは、疲弊しますし、長続きしません。

しかし、日々の発信で「8割」の人間味を伝え、信頼を積み重ねていれば、状況は一変します。

いざ、残りの「2割」で新商品やサービスを告知したとき。 お客様の反応は「売り込みされた」ではなく、「待ってました!」に変わるのです。

「いつも熱心に発信しているあの社長の会社なら、間違いないだろう」
「どうせ頼むなら、顔の知らない大手より、あの社長にお願いしたい」

そう思っていただけたら、もう過度な売り込みは必要ありません。

「お願いします」と頭を下げるのではなく、「あなたなら任せられる」と選ばれる立場になる。

これこそが、中小企業がSNSを活用する最大のメリットです。
経営者の皆さん。 売りたい気持ちが湧き上がってきたら、それは自社への愛がある証拠です。素晴らしいことです。 でも、SNSではその愛を「宣伝」ではなく、「信頼づくり」に使ってください。
売る前に、信頼を積む。 遠回りに見えるその道が、実は、あなたの会社を愛してくれるファンを作る最短ルートなのです。
さあ、今日は商品のスペックではなく、あなたの「想い」を語ってみませんか?

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