「これで大丈夫やろう」と思った時こそ
「たぶん大丈夫やろう」
仕事をしていると、そんなふうに思うことがあります。
いつもやっている作業だから。前にも同じような工事をしたから。経験があるから。
でも、土木の現場では、その「たぶん大丈夫」が一番怖いと僕は思っています。
僕が社長を務める江口組では、道路や河川、造成など、地域の暮らしを支える土木工事を行っています。
土木工事は、同じように見える仕事でも、現場の条件が一つひとつ違います。
地盤の状態、周囲の道路、作業する場所、天候。その日の作業内容によっても、注意することは変わってきます。
だからこそ、経験や勘だけに頼らず、一つひとつ確認することが大切なんです。
今日は、土木の現場で欠かせない「確認のひと手間」について書きたいと思います。
確認することも、現場の大切な仕事
土木工事では、図面を確認し、測量を行い、決められた位置や高さ、寸法に合わせて工事を進めます。
例えば、道路を造る時。
位置や高さが図面と合っているか。必要な幅や勾配が確保できているか。
こうしたことを確認しながら、一つひとつ作業を進めていきます。
「これくらいなら大丈夫やろう」
と、思い込みで進めてしまったらどうなるでしょうか。
間違いに気づいた時には、すでに次の作業まで進んでいるかもしれません。
そうなれば、やり直しが必要になることもあります。
土木工事には、完成すると地面の下に隠れてしまう部分もあります。
だからこそ、後から見えなくなるところほど、その時、その場で確認して記録を残すことが大切なんです。
確認は、作業が終わってからまとめて行うものではありません。
次の作業へ進む前に、必要なことを確認する。
その積み重ねが、工事の品質につながっていきます。
確認が必要なのは、工事の品質だけではありません。
安全についても同じです。
例えば、昨日と同じ場所で作業するとしても、昨日と今日では状況が違うかもしれません。
雨が降って地面の状態が変わっている。
作業する重機や車両の位置が変わっている。
近くで別の作業が始まっている。
昨日は安全に作業できたから、今日も大丈夫。
そう決めつけることはできません。
江口組では、月に2回、必ず安全パトロールを実施しています。
僕も、現場の安全は一度確認したら終わりではなく、日々の作業の中で繰り返し確認していくことが大切だと思っています。
慣れた仕事だからこそ、見落としていることはないか。
「いつもどおり」の中に、昨日とは違う危険が隠れていないか。
そんな目線を持ち続けたいですね。
もう一つ、僕が大切だと思っていることがあります。
それは、分からない時や気になる時に、遠慮なく確認できることです。
現場には、経験豊富なベテランもいれば、経験を積んでいる途中の若手もいます。
若い社員が、
「これで合っていますか?」
と聞いた時に、
「そんなことも分からんのか」
と言われてしまったら、次から質問しにくくなりますよね。
でも、分からないことをそのままにして作業を進める方が、ずっと怖い。
経験が浅いからこそ気づく疑問もあるでしょうし、ベテランでも確認が必要なことはあります。
「ちょっと確認していいですか?」
「ここ、もう一回見てもらえますか?」
そんな言葉を、誰もが自然に言える現場でありたいと思っています。
もちろん、確認したからといって、すべての間違いや事故がなくなるわけではありません。
それでも、気になったことをそのままにしない。必要な時には作業を止めて、確かめる。
その行動を大切にしたいですね。
確認は、安心して次へ進むための仕事
工事現場では、予定どおりに作業を進めることも大切です。
でも、早く進めることばかりを考えて、必要な確認を省いてしまっては意味がありません。
僕は、確認する時間は、仕事を遅らせるための時間ではないと思っています。
安心して次の作業へ進むために必要な、大切な仕事です。
位置を確認する。高さを確認する。作業手順を確認する。周囲の安全を確認する。
そして、少しでも気になることがあれば、仲間に声をかけて確認する。
一つひとつは小さなことかもしれません。
でも、その小さな確認の積み重ねが、安全と品質を支えています。
江口組の社員のみんなにも、改めて伝えたいです。
経験があるから大丈夫。
いつもと同じだから大丈夫。
そう思った時こそ、もう一度確認してほしい。
そして、若手もベテランも関係なく、気になることがあれば遠慮せずに声をかけてほしい。
「たぶん大丈夫」ではなく、「確認したから、次へ進もう」。
そんな仕事を、これからもみんなで大切にしていきたいと思います。