ロサンゼルス、1ドル160円の衝撃と「価格」の限界

カリフォルニアの真っ青な空、よかったな〜。また行きたい!

目的は、アメリカの建設現場や都市開発の視察。

江口組の未来を担う新しいアイデアを探して。

しかし、空港に降り立った瞬間から、僕の心を占領したのは、期待よりも、凄まじい「物価高」の波だった。

1ドル160円。

ニュースでは聞いていたが、実際に財布から金を出す時の感覚は、想像を絶する。

お腹が空いて、ふらりと立ち寄ったハンバーガーショップ。

メニューを見て目を疑った。ごく普通の、どこにでもあるハンバーガーのセットが、なんと30ドル。日本円にして約5000円だ。

「え、ハンバーガーひとつで5000円?」

思わず二度見した。日本では、高級レストランのランチが食べられる金額だ。

味は、確かに美味しかった。

肉厚でジューシーなパテ、新鮮な野菜、香ばしいバンズ。

でも、その味に5000円の価値があるかと聞かれると、正直、戸惑う。

その夜、フードコートでピザを買おうと思ったら、1枚3000円を超えていた。

翌朝、コンビニで買ったサンドイッチとフルーツ、オレンジジュースのセットも、20ドル近く。日本円で約3200円だ。

「桁が違うんじゃないか?」

そんな感覚が、僕の頭を離れなかった。

「こんなに高かったら、誰も買わないんじゃないか」
「日本だって、物価が上がってる」

そう、僕は心のどこかで「価格」こそが、お客様が選ぶ最大の理由だと思い込んでいたのだ。

安くなければ売れない、高ければ敬遠される。

でも、ロサンゼルスの街は違った。

30ドルのハンバーガーショップにも、3000円のピザ屋にも、20ドルのコンビニにも、人は溢れていた。

彼らは、ためらうことなく財布を開き、モノを買い、笑顔で食べていた。

その光景を見て、僕の「価格=売れない」という思い込みは、少しずつ崩れ始めた。

彼らは、一体何を、どんな価値を感じて、この価格を支払っているのだろうか。

その答えを探して、私は次なる視察先へ向かった。

そこは、高級スーパー「EREWHON」だ。

EREWHON、そこはスーパーではなく「自分を表現する舞台」

EREWHONは、ロサンゼルスで最も人気のある、そして最も高価なスーパーマーケットのひとつ。

駐車場へ入ろうとすると、すでに満車。高級車が並び、店内は人でごった返していた。

「ここも、高いんだろうな」

覚悟して店内に入ると、その空気感は、今まで私が知っているスーパーとは全く違っていた。

まず、漂ってくる匂いだ。

スーパー特有の惣菜の匂いや、生魚の匂いは一切ない。

代わりに、フレッシュなハーブや、焼きたてのパン、そして質の高いアロマのような香りが心地よく漂っている。

そして、その空間の美しさ。

商品は、ただ陳列されているのではない。

まるでアート作品のように、美しく、色鮮やかに並べられている。

オーガニック野菜は、その瑞々しさが際立つようにディスプレイされ、パッケージ一つ一つが洗練されている。

見ているだけで、ワクワクする。思わずスマホを取り出して、写真を撮りたくなる。

実際、店内では、多くの若者が、商品を手に取ったり、店内の装飾を背景に写真を撮ったりして、SNSへ投稿していた。

「ここには、買い物に来ているというより、体験しに来ているんだ」

そんな感覚が、僕の中に湧き上がった。

商品の価格は、やはり高い。

1本10ドルのジュース、20ドルの惣菜。でも、誰もその価格に文句を言っている様子はない。

彼らは、ただの食材を買っているのではないのだ。

「オーガニック・無添加で、健康な体を手に入れる」という価値。
「洗練された空間で、美しいものに囲まれる」という体験。
「EREWHONで買い物をしている自分」という、ライフスタイル。

そして、何よりも驚いたのが、EREWHONのロゴが入ったトートバッグや、マグカップなどのグッズが、飛ぶように売れていたことだ。

それを持って街を歩くこと自体が、ステータスになる。

「EREWHONは、もうスーパーじゃない。ブランドなんだ」

食材=健康、商品=ライフスタイル、グッズ=ステータス。

モノを売るのではなく、そのモノが持つ意味、そして、モノを手に入れるまでの体験を売っている。

EREWHONは、全員に売ろうとはしていない。健康志向で、美意識が高く、新しい体験を求める人たちへ、完璧にターゲットを絞っている。

だからこそ、高くても売れる。彼らは、価格ではなく、EREWHONが提供する「価値」と「体験」に、高いお金を払っているのだ。

「モノを売る」のではなく「意味と体験」を。江口組の未来へ向けて。

EREWHONでの体験は、私の心に、強烈なインパクトを残した。

日本へ帰る飛行機の中で、僕はずっと考えていた。

「江口組の工事も、EREWHONのように、価値と体験を売ることはできないだろうか」

「土木工事」は、モノだ。道路、橋、建物。

でも、僕たちが造っているのは、ただのコンクリートの塊ではない。

「その道路を通って、大切な人に会いに行く喜び」
「その橋を渡って、新しい場所へ向かうワクワク」
「その建物で、家族と過ごす温かい時間」

それは、そこに住む人たちの、暮らしであり、未来であり、幸せだ。

「僕たちは、モノを売るのではなく、そこに生まれる物語や、関係性を売っているんだ」

それに気づいた瞬間、僕の心は、晴れやかになった。

「高いから売れない」のではない。
「価値が伝わっていないから売れない」のだ。

僕たちが、もっと、お客様の心に響くような、素晴らしい体験を提供し、その価値を、五感に訴える言葉で伝えていく。

江口組の工事現場を、ただの工事現場ではなく、地域の人たちがワクワクするような、新しい体験ができる場所に変えていく。

江口組のWEBサイトやSNSを、ただの事実の報告ではなく、自分たちの熱い想いや、そこで生まれる物語が伝わるような、美しい空間に変えていく。

「江口組と一緒に何かをしたい」
「江口組が作ったモノには、価値がある」

そう思ってもらえるような、ブランドになる。

ロサンゼルスの30ドルのハンバーガーと、EREWHON。

それは、僕に、価格ではなく、価値と体験、そしてブランドの重要性を教えてくれた。

この学びを、社長として経営方針に活かしていく。いや活かさなければならない。

また江口組の広報プロデューサーとしても、これからの発信に、そして江口組の未来に、必ず活かしていく。

お客様の心に、忘れられない体験を。
江口組の価値を、世界中に。

江口組の新しい挑戦が、今、始まる!!

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