見えない“ありがとう”を見える形に
江口組では、「ありがとう」が飛び交う職場をつくるために、“ありがとうカード”を導入しています。
日々の忙しさの中では、
「助かったよ」
「ありがとう」
「いつも気にかけてくれてるね」
と伝えたい気持ちがあっても、言葉にするタイミングを逃してしまうことがあります。
でも、本当は感謝の言葉こそ、職場の雰囲気を柔らかくし、人間関係を円滑にする大切な要素です。
そこで私たちは、「小さな感謝も見える形にする」ために、このありがとうカードを始めました。
最初は、書く側も照れくさそうでした。
「こんなの書いていいんですか?」
「渡すタイミングがわからない…」
そんな声もありました。
しかし、いざ始めてみると、あっという間に社内に広がっていきました。
見えないところで頑張っている人への気づきが生まれ、日頃言えなかった感謝の気持ちが言葉として届く。
その一枚一枚に、書いた人の温かさと、受け取った人の笑顔が生まれました。
ありがとうを“見える化”する。
それは小さな取り組みですが、会社の空気を大きく変える力があると実感しています。
カードがつなぐ心とコミュニケーション
ありがとうカードの魅力は、「感謝」を伝えるだけでなく、コミュニケーションを育てることにあります。
普通に働いているだけでは見えない、小さな行動。
現場での一言、資料を手伝ってくれた気遣い、忙しい人のためにそっとフォローした場面。
こうした行動が、カードを書こうとして初めて“気づき”として表れます。
そしてその気づきが、チーム内での会話を増やし、絆を深めていくのです。
ある若手社員は、カードをもらったあと、こう話していました。
「自分の小さな行動を見てくれている人がいると知って、もっと頑張ろうと思いました。」
また別の社員は、
「普段は話す機会が少ない他部署の人からもらって驚きました。嬉しかったです。」
と言っていました。
カードは、ただの紙切れではありません。
そこには、日常の中で感じた“ありがとうの種”が詰まっています。
感謝は、最大の潤滑油です。
相手の心をほぐし、自分の気持ちを整え、チームの空気を明るくしてくれる。
その力を実感できるのが、この取り組みの一番の魅力だと思っています。
感謝が文化になると、会社はもっと強くなる
ありがとうカードが浸透し始めて感じるのは、“ありがとうを言う文化”は、会社を強くするということです。
人は感謝されると嬉しくなります。
嬉しくなると、また誰かに優しくしようとする。
その連鎖が、会社の雰囲気を変え、働きやすさをつくっていきます。
また、「ありがとう」が日常的に飛び交う職場には、自然と“前向きさ”が生まれます。
失敗しても、「大丈夫。一緒に頑張ろう」と励まし合える。
困っている人がいれば、自然と手を差し伸べる。
そんな空気が育っていくのです。
江口組の経営理念には「和の力」という言葉があります。
ありがとうカードは、まさにその“和”を育てる取り組みです。
・確認不足を指摘してくれた先輩に
・少し重そうな荷物を持ってくれた仲間に
・落ち込んでいるときに声をかけてくれた後輩に
・影でサポートしてくれている管理部門に
そのひとつひとつの“ありがとう”が積み重なることで、会社全体があたたかい循環に包まれていきます。
そして私は、この取り組みを続けることで、
江口組が「もっと働きやすい会社」へと成長していく手応えを感じています。
感謝を伝える文化は、一朝一夕ではつくれません。
でも、一人ひとりの「ありがとう」から必ず広がっていきます。
これからも江口組は、温かさと和の力を大切にしながら、
「ありがとう」が飛び交う職場づくりを続けていきます。