早朝の現場に立つ若手監督
現場に一番乗りする若手監督。
まだ作業員も到着していない静かな時間に、誰よりも早く現場に来て、資材の確認、安全点検、そして今日の作業に必要な準備を黙々と進める。
ある日、その理由を尋ねると、彼は迷わずこう答えました。
「誰も見てなくても、自分はやる」
その言葉に、私は強く胸を打たれました。
若手でありながらも、自らに課した責任と覚悟。その姿勢は、単なる“仕事の習慣”を超えて、現場を支える大きな力になっていると感じたのです。
段取り力は信頼の力
建設現場は、一日の段取りでその成果が決まると言っても過言ではありません。
どんなに優れた職人が揃っていても、準備が整っていなければスムーズには進みません。
逆に、段取りが完璧であれば、現場は安全で効率的に回り、関わる全員が安心して仕事に集中できます。
その段取りを陰で支えるのが、朝の静かな時間に行う「見えない準備」です。
若手監督の「誰も見てなくてもやる」という姿勢は、この段取りを徹底するための信念でした。
作業員が現場に到着したとき、すでに道具は揃い、資材は適所に配置され、安全が確認されている。
そんな状況が当たり前に整っているのは、誰かが裏で汗を流してくれているからです。
その積み重ねが「この現場は大丈夫だ」「この監督についていけば安心だ」という信頼につながり、現場全体の雰囲気を良くしていきます。
段取りは信頼の力。
華やかさはなくとも、現場を動かす原動力です。
裏側にこそ宿る現場の真価
完成した建物や道路は、誰の目にもわかりやすい成果です。
しかし、その成果を生み出すために欠かせないのは、裏側で積み重ねられる「誰も見ていない努力」です。
若手監督の姿勢は、まさにその象徴でした。
「見られているからやる」のではなく、「現場のために自分はやる」
この思いがあるからこそ、現場は安全に守られ、工程は滞りなく進み、品質は確かなものになるのです。
私は社長として、この言葉を忘れずにいたいと思います。
そして、この姿勢を会社全体に広げていくことが、江口組の未来をより強固にするのだと信じています。
段取り力は信頼の力。
裏側にこそ現場の真価がある。
そう教えてくれた若手監督に、心からの感謝とエールを送りたい。
江口組の現場は、こうした仲間たちの誇りと努力に支えられて動いています。