偉大な背中と、越えられない壁

私の父は、まさにカリスマ的な経営者だったと思います。

自分の考えや想いを明確に持ち、それを社員に伝え、力強く引っ張っていく。迷いなく決断し、スピード感をもって前へ進む姿は、多くの社員にとって頼もしく、尊敬の対象だったはずです。

そんな父の背中を見て育った私は、会社を引き継いだ当初、正直に言えば悩みました。

「自分は父のようにできているだろうか」
「同じやり方をしなければ、この会社はうまくいかないのではないか」

そう自分を責め、比べ、できない自分に落ち込むこともありました。

偉大な存在が近くにあったからこそ、その背中は高く、そして遠く感じていたのだと思います。

「同じでなくていい」と気づいた瞬間

ある時、ふと気づいたことがありました。
それは、「父と同じである必要はない」という、とてもシンプルな事実です。

私は父とは違う。

性格も、考え方も、社員との向き合い方も違う。
それなのに、無理に同じ型にはまろうとしていたから、苦しかったのだと思います。

そのことに気づいた瞬間、肩の力がすっと抜けました。
「違っていい」
「いや、違うからこそ意味がある」
そう思えたとき、ようやく自分自身の経営が始まった気がしました。

父が“引っ張る経営”だったとすれば、私は“支え、つなぐ経営”。

前に立って号令をかけるのではなく、一人ひとりの声に耳を傾け、力を引き出し、チームとして前に進む。

それが自分らしい経営なのだと、少しずつ確信するようになりました。

違ったからこそ、生まれた江口組の経営

そうして生まれたのが、江口組の理念
「和の力で輝く心が、みんなの笑顔と有難うを創造する」です。

これは、最初から用意していた言葉ではありません。
父とは違う自分だからこそ、悩み、考え、社員と向き合う中で、自然と形になっていった想いです。

一人の力ではなく、みんなの力を合わせる「和の力」。
命令ではなく、自ら考え、行動する「輝く心」。
その積み重ねが、社員の笑顔を生み、地域の「ありがとう」につながっていく。

もし私が父と同じ経営者だったら、この理念は生まれなかったかもしれません。

違ったからこそ、江口組は江口組らしい道を歩み始めることができた。

それは、父を否定することでも、過去を否定することでもありません。

父が築いてくれた土台があったからこそ、私はその上で“違う選択”ができた。

今はそう思っています。

経営に正解はありません。

でも、自分らしくあることを恐れず、違いを受け入れた先にしか見えない景色がある。
これからも私は、父とは違うやり方で、社員とともに江口組の未来をつくっていきます。

違ったからこそ、生まれたものを大切にしながら。

 

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