前田利家との出会い 〜『徳川家康』を読み進めて〜
山岡荘八の小説『徳川家康』を読み進め、ついに9巻までたどり着いた。
全26巻の3分の1を読み終えたことになる。
読み始めた当初は、家康の視点から歴史をたどり、今の時代の経営者にとって何が大切かを知るつもりだったが、物語が進むにつれて、多くの武将たちの生き様に心を惹かれるようになった。
特に9巻では、織田信長亡き後、豊臣秀吉がその後を引き継ぎ、天下統一へと歩みを進める様子が描かれている。
信長の死後、日本の覇権をめぐる争いは激しさを増し、秀吉と柴田勝家の対立が物語の大きな軸となっていた。
この戦いは、信長に仕えた武将たちがそれぞれの道を模索し、新たな時代へと進んでいく重要な転換点でもある。
そんな中、登場するのが前田利家とその妻・お松だった。
利家はもともと織田家の家臣であり、秀吉とは若い頃から共に戦場を駆け巡った間柄である。
下っ端の頃からお互い切磋琢磨し合いながら成長し、さらには家が近かったこともあり、家族ぐるみの付き合いがあった。
こうした背景を知ると、秀吉、利家、お松の三人のやりとりがより一層興味深く感じられた。
戦国の世を生き抜く中で築かれた人間関係が、単なる主従関係ではなく、強い絆に裏打ちされていたことがよくわかる。
9巻を読み終える頃には、すっかり前田利家に魅了されていた。
彼の人間味あふれる生き様、義に厚く、仲間を大切にする姿勢に惹かれたのだ。
ちょうど読み終えた頃、金沢を訪れる機会があった。
これはもう、利家とお松が祀られている尾山神社へ行くしかなかった。
尾山神社で感じた前田利家の存在
尾山神社には何度か訪れたことがある。
しかし、今回は明らかにこれまでとは違う感覚を覚えた。
利家の生き様を知った上で訪れると、鳥居の前に立った瞬間から、何か目に見えないものが伝わってくるような気がしたのだ。
ステンドグラスが美しい神門をくぐり、本殿に手を合わせる。
「戦国の世を生き抜いた利家とお松に敬意を込めて」
そんな思いを抱きながら、静かに手を合わせた。
尾山神社の裏を抜けると、そこには金沢城が広がっている。
かつて戦国の世を駆け抜けた武将たちが、この地で何を思い、どんな未来を描いていたのか。
そんな想像を巡らせながら歩いていると、かつての金沢の姿が、時代を超えてそこに息づいているように感じた。
現在の金沢城は、金沢城公園として多くの観光客が訪れる場所になっている。
何度も足を運んでいる場所ではあるが、今回はこれまでとは違う視点で城を見ることができた。
これまでは「観光名所のひとつ」として訪れていたが、前田利家の生き様を知ったことで、城の存在がぐっと身近に感じられるようになったのだ。
この城を築き、加賀百万石の礎を築いたのが、まさに前田利家その人である。
そう思うと、城の石垣ひとつひとつが、彼の生きた証に思えてくる。




戦国武将をもっと知りたくなる瞬間
石川県に住んでいながら、これまで前田利家についてほとんど知る機会がなかった。
しかし、『徳川家康』を通じて彼の魅力を知り、実際に尾山神社や金沢城を訪れることで、歴史がより身近に感じられるようになった。
この機会にもっと利家について学びたいと思うようになった。
まずは、大河ドラマ『利家とまつ』を見てみようかと思う。
戦国時代のドラマは多くあるが、利家を主人公にした作品はそう多くない。
利家とお松がどのように描かれているのか、そして彼らの生き様がどのように映像化されているのか、非常に楽しみだ。
また、金沢の街を散策しながら、前田家ゆかりの地を巡るのも面白そうだ。
これまで何気なく通り過ぎていた場所が、きっと違った視点で見えてくるに違いない。
歴史を知ることで、普段の景色が一変する。
それが歴史の面白さであり、旅の楽しさでもあるのかもしれない。
これからも、こうした気づきを大切にしながら、さまざまな歴史の扉を開いていきたいと思う。
今日もブログを読んでいただきありがとうございました。
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