5Sという基盤:現場に根付く整理・整頓・清掃・清潔・躾
建設現場で事故やケガを防止するうえで大切なのは、常に安全を意識し、快適な作業環境を整えることです。
工事現場では「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」を基本に据え、職場の安全確保と効率向上に取り組んでいます。
とりわけ「5S」の最後に挙げられる「躾」は、規律を守り、習慣として根付かせるうえで欠かせません。
先日、労働基準監督署の方から、現場の安全対策をさらに充実させるためには、この5Sに加えて“3つのS”が重要になるというお話を伺いました。
「ストレッチ(Stretch)」「シニア(Senior)」「スノー(Snow)」の3S。
この3Sをどのように現場に取り入れ、5Sとあわせて実践していけばよいのかを考えてみたいと思います。
プラス3Sの新視点
まずは「ストレッチ(Stretch)」です。
建設業では肉体労働が多く、重い資材の運搬や同じ姿勢を続ける作業が日常茶飯事。
これらは筋肉への負担を増大させ、ケガや腰痛、疲労の原因にもなりがちです。
そこで、作業前や休憩後に簡単なストレッチを行うだけで、身体をほぐし柔軟性を高めることができます。
血行が促進されることで疲労回復が早まり、集中力の維持にも役立つため、現場全体の安全度と作業効率アップが期待できます。
次に「シニア(Senior)」の視点です。
建設業には長年の経験を持つベテランの方が多く活躍しており、その豊富なノウハウは現場にとって大きな財産です。
しかし、高年齢労働者にとっては、若手と比べて体力や瞬発力が落ちている場合もあります。
そこで、作業内容の調整や定期的な休憩の確保、補助器具の活用など、シニアの方々が無理なく働ける環境を整備することが必要です。
また、ベテランの知見を若手に伝承する仕組みづくりによって、組織全体のレベルを底上げする効果も得られるでしょう。
そして冬場の現場作業で注意したいのが「スノー(Snow)」対策です。
雪や凍結した路面は転倒・滑落を引き起こしやすく、重大な事故につながるリスクが高まります。
そこで、足場や通路のこまめな除雪、凍結防止剤の散布、滑り止め付きの靴や手袋の着用などを徹底することが欠かせません。
また、冷え込みが厳しい環境では体力の消耗も激しくなるため、防寒対策や定期的な温かい休憩の確保など、作業員一人ひとりが体調を崩さないように配慮することが大切です。
5S+3Sがつなぐ現場の未来
こうした「ストレッチ」「シニア」「スノー」の3Sを、日頃から私たちが実践している「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」に組み合わせることで、現場の安全対策を一層強化できます。
5Sは作業環境を整え、規律を守って習慣化することを目指す取り組みですが、ここに人的要素や季節特有のリスクといった観点を加えることで、より包括的な安全管理が可能になるのです。
建設現場の安全は、決してひとりの努力だけでは成り立ちません。
職場全体で声を掛け合い、気づいた点を互いに指摘し合いながら、ルールやマナーを守ることが大切です。
5Sで基本を固めたうえで、ストレッチで身体をケアし、シニアの方々が安心して働ける体制を整え、スノー対策で冬季の転倒災害を防止する。
これらの一つひとつの取り組みが安全・快適な現場を支え、結果として仕事の質と効率を高めることにつながります。
いいお話を聴けたなと思います。
これからもより良い現場環境づくりに邁進していきます!
今日もブログを読んでいただきありがとうございます!